「占い」と呼ばれるものには、いくつもの種類が存在します。源流を同じくするものでも、その解釈や利用の仕方が異なることで、全く異質の占いに変化することも珍しくありません。
特に、中国に端を発する占いには、「五行思想」を基軸とする占いが数多く存在します。今回は、その中の一つである「四柱推命」について紹介します。
四柱推命とは?
「四柱推命」とは、中国において「陰陽五行説」を元にして作り出された「人の命運について推察する占い」を指します。
ですが、「四柱推命」という名称は実は発祥地の中国では使用されておらず、日本独自の呼称であると言えます。中国では「子平」「三命」「命学」「八字」「命理」などの名称で知られています。
これが英語圏で「Four Pillars of Destiny」「Four Pillars Astrology」などの名称で知られています。中国の文献では、1100年代の書物に記載されているものが最古であることから、この時代に生まれた占いであるとされています。日本には、江戸時代の中期に伝えられています。
四柱推命の基礎的な理論
四柱推命において用いられるものは、占う人の「生年月日」を、それぞれ「年柱」「月柱」「日柱」「時柱」として用います。
それぞれに対して対応する「十干」「十二支」を、それぞれ「天干」「地支」と呼び、年柱のそれぞれを「年干」「年支」と呼びます。四柱推命においては、日柱の十干である「日干」を中心として、残りの天干と地支が日干に対してどのような影響を及ぼすかで、具体的な事象を推察します。
四柱推命の注意点
四柱推命においては、上記のように生年月日を年、月、日、時に分けます。日までは正確に把握しているでしょうが、時間までを正確に把握している人は少ないのではないでしょうか。
そこで、日本では四柱推命から生まれた時間、つまり「時柱」を抜いて考える方法である「三柱推命」が用いられることもあります。実際、ネットで利用できる四柱推命においては、生まれた時間が分からなくても占えるようにプログラムされているページがちらほら見受けられます。
これは、「四つのうち、三つが分かればほぼ占える」という考えから用いられている方法なのですが、発祥たる中国においてはそのような理論は記述されていません。
四柱推命においては日干を中心に残りの天干と地支がどのように影響するかを把握するものであり、三柱推命の考え方は暴論であると言えます。
なお、昭和20年以降の出生記録においては、生まれた時間まで記載することが義務付けられています。場合によっては役所に出生届の控えが保存されている可能性があります。
まとめ
四柱推命は、中国で「陰陽五行説」を元に作られた占いで、生年月日を元に人の命運を占います。四柱推命は日本での名称で、中国では別の呼び方をします。
生年月日を「年」「月」「日」「時」に分け、それぞれに対応する「十干」と「十二支」を、生まれた日の十干に対してどのように影響するかで占います。
ただし、日本では生まれた時間がわからないことが多いことから日柱を除いた「三柱推命」が用いられることもありますが、これは暴論です。