古代中国を起源とする占いには、意外と種類が豊富に存在します。
源流を同じくする場合でも、たどってきた過程や解釈の仕方ひとつ違うだけで、まったく異なる占いに発展することは珍しくありません。今回は「周易」について紹介していきます。
周易とは?
周易は、「易経」に記されている卦辞(かじ)、爻辞(こうじ)、卦画に基づいた占術です。
易経は、周易の原文である卦辞や爻辞に「十翼」という附文を付け加えたものです。昔は孔子の作と言われていましたが、現代においてはその説は否定され、漢の時代以降のものであるとされています。周易とは別に、「易」の名を持つ占術に「断易」や「五行易」などがありますが、これは易卦の爻に「十干十二支」を加え、その五行の消長によって吉凶を占うものです。
しかし、五行易の原典のひとつである「易冒」においては、易卦の爻に変化するものが無い鎮静卦における占断は、易卦の卦辞に従うものであるとされており、断易も周易から切り離されたものではありません。一般的に「易」と呼ばれるものが、この周易です。
周易の歴史
周易の原典である「易経」は、伝説では周王朝時代に成立したものであるとされており、中国で最初の書物であるとされています。
しかし、易経の繁辞伝は漢の時代に成立したものであり、伝説上の話以上の歴史ではありません。ある研究者の著書によると、易経は本来、断片的な占いの言葉であったものを、書物にまとめていく中で装飾されていき、いつの間にか儒教の経典として扱われてきたと説明されています。
近年の出土資料の研究によって、易経が古い時代からの卜辞の集積から爻辞、卦名、卦辞が作成されたという変遷によって成立したものであると言うことが分かっています。
易卦の構成
周易においては、卦辞と爻辞が基本となります。周易の原文にはこれらの文章で構成されており、易卦や卦爻と呼ばれる記号が付されています。
易卦の記号は爻を重ねた構成となっており、「陽」と「陰」が存在します。このうち、「―」で表されるのが「陽爻」、「--」で表されるのが「陰爻」であり、それを3つ重ねたものを「八卦」や「小成卦」と言います。6つ重ねた場合は「易卦」「六十四卦」「大成卦」と言います。以下に八卦の構成を紹介します。
地 -- 雷 -- 水 -- 沢 -- 山 ――
-- -- ―― ―― --
-- ―― -- ―― --
火 ―― 風 ―― 天 ――
-- ―― ――
―― -- ――
一般的に知られている方法としては、「筮竹」や「算木」を用いて、上記のシンボルを導き出します。その組み合わせによって吉凶を占います。
筮竹・算木以外であれば、コインやサイコロを使った方法も用いられます。
まとめ
周易は易経に記された占術のひとつです。周の時代が発祥と言う伝説が残っていますが、近代の研究においては漢の時代に作られたものであることが分かっています。
一般的な方法としては筮竹と算木を用いて八卦を導き出し、その組み合わせで吉凶を占います。