「占いというと、こういう道具が思いつく」と言うのは、1つや2つはあるものです。そういった占いの道具は、その占いのシンボルとしても認識されることがあります。
ただ、その名称については見た目ほどの知名度は高くない場合もあります。今回は、易占において用いられ、シンボルのようにもなっている「筮竹(ぜいちく)」と「算木(さんぎ)」について紹介します。
筮竹とは?
筮竹とは、易占において使用される、50本1組の竹ひごのようなものです。長さはまちまちで、およそ30cm~50cmほどになっています。
両手で開きやすくするように、手元に来る部分は少し細めに削られています。名前に竹が入っているので基本的に竹製ですが、竹でないものも含めて「めどぎ」と呼びます。ただ、古くはノコギリソウの茎を用いていたとされています。
50本1組というのは諸説あり、定説はありません。路端や路地裏で占いをしている人が何十本もの細い棒のようなものを持っているとしたら、おそらくは筮竹で、その人は易者でしょう。
そういったイメージが定着するくらい、易占と筮竹の関係は日本でも知れ渡っています。前述のとおり易占において用いられ、後述の「算木」とともに易占のシンボルとして認識されています。
筮竹の代替手段
前述のとおり、筮竹は長いものでは50cmほどの長さになります。易者として活動する人ならともかく、普段から持ち歩き、易占を行うには少し不便でもあります。
易占においての筮竹の使用方法は、基本的に一定の方法で抜き取った筮竹の残りの本数を数えます。つまり、「数字」が重要な意味を持つのです。
そこで、数字を表現できる方法が筮竹の代替手段として用いられることもあります。代表的なものでは「サイコロ」や「コイン」等が挙げられます。その他、現代的な方法としては「時計」「本のページ番号」なども用いることができます。また、後述の「算木」を単独で用いる方法もあります。
算木とは?
易占における算木は、筮竹によって割り出した「卦」を即座に記録・表示するために用いられる、6本1組の小型の角材です。角材の4面のうち、連続した2面の中央部分に浅い彫り込みがあります。
両端に八卦が書かれたものがあり、「本筮法」「中筮法」で用います。本来の算木は、中国で用いられていた計算道具の一つです。
別名「算籌」とも呼びます。計算道具としての算木は易占用のmのよりも細く、長さも10cmほどしかありません。それらを縦や横に並べることによって数を表します。そろばんの登場まで計算道具として用いられ、高次の代数方程式を解くことも出来ました。
まとめ
筮竹は、易占で用いる30~50cmの50本1組の竹ひごです。持ち運びに難があるため、代用品としてサイコロなどを用いることもできます。
算木は筮竹とともに易占のシンボルとなっているもので、筮竹によって表した卦を記録・表示するために用います。古くは計算道具として用いられていましたが、そろばんの登場とともに廃れました。