占いには数多くの「道具」が用いられることがあります。
その道具が占いの象徴となっていることも多く、珍しい道具だとそれだけ知名度も高いことが多いです。
今回は、占いに用いるには珍しい、あるものを用いた「ジオマンシー」という占いについて紹介していきます。
ジオマンシーとは?
「ジオマンシー」は、土や砂を手に握り、それを地面に投げて出来たパターンを解釈して行う占いの一種です。別名「ゲオマンシー」「土占い」とも呼ばれています。
ジオマンシーの基本の形態としては、16種類のパターンを再帰的に当てはめて解釈し、占術的な解釈と絡めて行われることが多いです。アフリカと中世ヨーロッパで流行した占いで、社会の階級にとらわれず広く普及していました。
数多くの書籍や論文が作り出されましたが、オカルト流行の下火とともにこれらの出版も衰退していきました。それが近年になり、再び脚光を浴びるようになりました。
ジオマンシーの歴史
ジオマンシーは中東のアラブ世界において理論付けされたとされていますが、証拠となる文献等が存在していないため詳細については判っていません。
また、錬金術の書物においてはジオマンシーはインドが起源であるという記述がありますが、否定的な意見もあります。交易路の拡大に伴う文化や知識のやり取りがあったという歴史から、アラブあるいはイスラムで発生したものであると考えられています。
中世ヨーロッパにおいてはこの時代からアラビア語の文献の翻訳が始まっており、その頃にジオマンシーに関する文献が伝わったとされています。
17世紀以降にオカルトへの関心が弱まったのを契機にジオマンシーも廃れていきますが、19世紀になってから再びオカルトへの関心が強まり、ジオマンシーに対する関心もよみがえりました。
その際、伝統的な技法については簡略化・省略化されることで、多くのプロセスが失われています。また、ジオマンシーには、他の占いにあるような神話的な起源があります。
ジオマンシーの16の模様
ジオマンシーにおいて用いられるのは、16種類に分類された模様のパターンです。それぞれに「意味」「解釈」「占星術との対応」「属性」などがあります。
伝統的なジオマンシーにおいては、砂の表面に手や棒を用いて模様を形成しますが、近代的な方法としては蝋タブレットとスタイラス、紙とペンでも行えます。
また、現代的な方法としてはコンピューターで乱数を発生させて占うことも出来ます。本格的に行う場合には模様の解釈を覚えるだけでなく、複雑な方法についても理解する必要があります。
しかし、方法が複雑な分、高い的中率を実現することができます。
まとめ
ジオマンシーは模様をパターン化することで占う方法です。いくつかの説がありますが、アラブやイスラムにおいて発生した方法であるとされ、中世ヨーロッパにおいて文献が解読されています。
17世紀にオカルトへの関心が弱まったこと、19世紀のそれが再燃したことでジオマンシーも廃れと再燃を経験します。伝統的な方法以外にも、現代では紙とペンでもジオマンシーを利用できます。